木材のトレーサビリティ (伐採から製材まで・・素材生産者の取り組み)
「伐採」
ココロが推奨する木材は「冬季伐採」「葉枯らし乾燥」「天然乾燥」されたモノが前提です。まず、伐採は、旧暦に沿って行います。伐採の日付のほか、山林番地等の「山林データ」、木の円周や樹高などの「樹木データ」を携帯端末に入力し、一本、一本に管理番号をつけます。この管理番号をバーコードとして伐採木につけます。
「葉枯らし」
「葉枯らし乾燥」 は3ヶ月以上行います。管理番号がついてますので、葉枯らし期間が確実に3ヶ月以上であるのか、チエックすることが容易にできます。また、旧暦に従い、新月から満月に向かう期間は原則として伐採しないで、満月直後~新月に向かう2週間で伐採作業を行います。(※新月当日まで、ではなく新月前日までの作業となります。)これも伐採データを明確に管理することで確認することができます。
「玉切り」&「出材」
山で葉枯らし乾燥した後、数メートルごとに切られます。これを「玉切り」といいます。この玉切段階で、新たにバーコードシールをそれぞれに付けてから集材、運搬を行います。
「バーコード」
上が伐採時につけたバーコード、下が出材の時につけられるバーコード。出材以後、下のバーコード番号を管理してゆきます。バーコード番号が「*+2006+01126I3*」だとすると、「2006」が伐採年。「01215」が伐採日などの管理番号、Iが樹齢(A・B・C・・・・は、樹齢10年、20年、30年・・とカウント)をあらわし、いちばん最後の番号が同じ木の下から数えて何番目の材なのか?を表します(玉切数)。例えば、2なら下から2番目、2番玉といわれる材となります。
「天然乾燥(丸太)」
山から下ろされた木は、土場(どば)と言われる場所で製材されるまでの期間をすごします。ここでも自然に乾燥が進みます。ある程度長い期間、この場所で製材を待つ場合は、丸太同士ができるかぎり触れないで、痛まないように井桁(いげた)に組んで乾燥を行っています。
「製材」
丸太を実際の建築木材に使用できるような大きさに製材してゆきます。この場合も、管理された番号によって丸太をどんな材に製材するのか?を決めることも出来ます。同じ材でも、丸太の下の方は大きな梁やカウンターなど、中間部は小さい梁、桁や、板として、上の方は柱や束など・・できるかぎり無駄な材料がでないよう、その部分に適した製材を行ってゆきます。そしてこの製材日もデータに入力され、管理します。
「天然乾燥(製材品)」
製材は、その後の収縮等を考え、必要とされる寸法より数ミリ大きい寸法で挽かれます。そして、一本一本、乾燥のための桟をはさんで積まれます。この状態で6ヶ月の天然乾燥をします。
「製品化(プレーナ・加工)」&出荷
6ヶ月を過ぎた木材の中から、発注にあわせて製品をつくり、出荷してゆきます。出荷に拘った人の顔写真を載せた「出荷証明」を発行します。また特殊な寸法の材料などは、丸太の時にあらかじめ挽いておきます。ですので、乾燥期間を考えると、設計段階で必要な材料を特定しておくことが必要です。
木材のトレーサビリティ (製材から建て方まで・・設計者の取り組み)
「山林見学&体験」
山の状況や製材の様子、木材管理の方法などを実際に見学をしていただきます。また、木の「伐採体験」や「植林体験」などのオープンイベント等を通して、山や木に関する理解を深めます。ユーザーの足が山に向く広報活動を川上の「素材生産者」と川下の「設計者」が協力して行っています。
「図面&木拾い」
木の組み方を記した「伏図(ふせず)」や木材の詳細な加工詳細図」などを作成し、これに沿って実際、どんな寸法の木がどれだけ必要かを数えます(木拾いといいます)。また、この際、木材生産側と連携を取り、木材の在庫状況や乾燥状況などを確認しながら、設計を進めます。現場でも施工者はこの「木拾い」をもとに木材を用意します。
「木材検査&木配り」
製材業者から「木拾い」に沿って納品された木材を検査するのも設計者の役割です。寸法、含水率、強度(ヤング係数)、腐りや割れなどの木質状況をチエックしてゆきます。そして、設計図をもとに、同寸(同じ寸法)の材料などの振り分けを行います。例えば、リビングのような場所は出来るだけ綺麗な柱を使い、残ったモノを物入や隠れてしまうところにもってゆく・・湿気が多い部分は赤くて腐りにくい材をもってゆく・・など所謂、番付け作業を第一段階として設計者が行います。この検査は、構造材全部に関して行います。
「バーコード」控え
製材品には管理バーコードが引き継がれています。これらを、木配り作業と同時に控えておきます。これを木拾いに沿ってたどれば、実際に使われる梁や桁がどこの山のモノなのか?を確認することができます。また、検査時の含水率や材料状況等も同時に管理しておきます。
「墨つけ」
検査が終わった木材は、施工者(大工さんなど)に渡されます。施工者は、設計者がつけた番付けをもとに「墨つけ」という加工に必要な線を描く作業にかかります。しかし、その際にも再度、材料の方向やクセ、材の組み方などのチエックをし、若干の修正を加えながら墨をつけてゆきます。個性の強い国産木材を出して使うには、何十ものチエックや選択を経て加工しなければならないのです。
「刻み(きざみ)」
墨つけを終えた木材から加工をします。その際、加工を行う職人さんにも設計内容を理解してもらい「墨つけ」が正しいか、チエックしながら加工をしてもらいます。また、加工段階で、ある程度使いまわしが可能な材や端材などを判別して無駄な木材が出ないよう、チエックしてゆくのも重要です。例えば、柱材の端を、小屋束や床束に転用する場合もあります。設計者と職人が常に連携をとり、刻まれてゆくのです。
「現場建て方」
刻みが終えた材が現場に運ばれ、建て方が行われます(いわゆる建前)。この建て方の際も、設計者が立ち会い(手伝いに近いかも?)ます。実際に組みあがってゆく段階で対処しなければならない事態に備えて、また、現場の職人の意向や作業効率などを踏まえて常に設計に反映してゆく為です。(ワタシの場合は釘袋をさげて・・)
トレーサビリティ式現場監理
トレーサビリティ式と言っても、従来やっていた現場監理と違うワケではありません。本来の工事監理をもう少しユーザーにわかるように整理するだけです。また、履歴を残す・・現場を見せる・・ということは、嘘偽りの無い関係で家ができてゆくということです。正直な素材を使い、正直に家を造ってゆく・・そんな一連の流れが「トレーサビリティの家づくり」なのです。
現場履歴
元請業者や現場監督だけにまかせず、現場に入る業者がどんな職人で、いつごろ工事をしていたか、などをチエックし、写真で記録を残したり、不具合などがあれば修正するように指導します。そして、これらを一覧にまとめて監理報告をします。これによって、いつ?どこで?だれが?どんな工事を?を追跡できます。
職人履歴
従来の監理報告は、建築士法指定の文章と若干の工事写真のみでしたが、これにプラス、工事に携わった職人や業者の名前や顔写真、連絡先などをまとめて履歴として残します。営業マンや現場監督だけではなく、実際に現場で汗をかいた職人の顔が見えるような工夫です。
オープン現場見学
建物が完成すると、隠れてしまってわからない部分やわかりにくい構造的な部分などを現場見学会等で公開させていただきます。この完成前の現場を見せる・・ということは、人に見せても良いような施工をしている・・見てもらえるように、いつも綺麗な現場を保っている・・ということになりますので、ユーザーさんにも大きなメリットがあると考えています。


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